オキシトシンが体内に広がる。
不安やストレスが緩和される。
タクティールケアで、認知症ケアが変わる。
vol.1 タクティールケアで、認知症ケアが変わる
タクティールとはラテン語の「タクティリス(Taktilis)」に由来する言葉で、「触れる」という意味です。
1960年代にスウェーデンの看護師等によって、現在の手法が誕生、様々な症状をお持ちの方への緩和ケアとして確立し、認知症の方への緩和にも取り入れられるようになりました。その後、スウェーデンの財団法人シルヴィアホームの認知症緩和ケア教育とそのツールのひとつとして、2006年より認知症緩和ケア教育とタクティールケアの教育活動が日本でも、開始されました。
「人の手」で触れること、それが緩和ケアの原点です
痛い所を手で触れると、痛みが和らいでいく。手を当てる、すなわち「手当て」が医療の原点とも言われています。タクティールケアは、認知症を起因とした様々な症状を緩和させる「手当て」として期待されている補完的手法です。
「押す」のではなく、やわらかく包み込むように触れる
手のひらを使って相手の手足や背中を包み込むように、慈しんで撫でるように触れていくと、オキシトシンが分泌され穏やかな気持ちに…。
不安やストレスを緩和し安心感を生み出します
興奮状態や不安感が軽減し、心が落ち着いていきます。ストレスや不安を緩和することで、自律神経のバランスが保たれ、免疫力の向上やQOL(Quality of Life、生活の質)の維持向上につながります。また、触圧覚を利用した『ゲートコントロール』による身体的な苦痛の緩和効果が得られることがあります。
オキシトシン
脳の視床下部で産生されるホルモン。不安やストレスの軽減にも大きく関わっていることが最近の研究で明らかになった。
ゲートコントロール
触覚や圧覚が痛覚を抑制するメカニズム。脊髄内のゲートをタクティールケアの触覚や圧覚で閉じ、痛みを脳に伝えないようコントロールできる。
受ける人はもちろん、行う人にも、オキシトシンが分泌
優しく触れられることで、受けた側は「大切にされている」と感じ、行う側は「つながり」を感じます。そして、お互いの精神的な不安、ストレスが緩和されていきます。共感が生まれ、ケアのベースとなる良好な人間関係を築くことにつながっていきます。
オキシトシンが体内に広がる
不安やストレスが緩和される。
タクティールケアで、認知症ケアが変わる。