笑顔あふれる毎日を過ごすためにカラダの不調をどうにかしたい。
専門の先生による解決法を紹介します。
vol.5 寝たきりの予防には「筋肉」を鍛えることが大切
筋肉の大黒柱『大腰筋』を鍛えて足腰を元気に!
筋肉量の減少が老化を引き起こす
私たちのカラダの筋肉量は20代をピークに減っていきます。1年に約1%程度の割合で減少し、70代になる頃には半分くらいにまでなってしまうのです。筋肉はエネルギーを生み出す働きも担っているため、筋肉が減れば、カラダの動きが鈍くなるだけでなく、疲れが抜けなくなったり、太りやすくもなります。加齢とともに感じるカラダの衰えや老化は、実は筋肉量の減少が要因だったのです。
筋肉量が減ると、カラダを動かすこと自体がおっくうになるため、さらに活動量が減り、筋肉の減少も加速します。そうなれば、将来„寝たきり"の危険性が。
„少し動いただけで息切れする
ようになった"„ちょっとした段差で転びそうになる"という実感があれば、それは既に筋肉量が減ってきているサインです。いつまでも自分の足で動き回れる若々しいカラダを維持するためには、筋肉量をアップさせることが必要になります。
若さを保ちたければ下半身を鍛えるべき!
なかでも重要なポイントとなるのが下半身です。というのも、下半身のほうが、上半身よりも1.5倍も筋肉の減少率が高いから。足を上げたり踏み出したりする歩行時の動作に関わってくる„大腰筋"は、特に重要。筋肉の大黒柱でもあるため、この筋肉を減らさないことで、歩行はもちろん、それ以外の身体活動レベ
ルも高めることができます。さらに、脂肪の燃焼や、血行促進による脳の活性、成長ホルモンの分泌による美肌効果など、美容や健康面でのメリットも期待できます。
筋肉は何もしなければどんどん痩せて減少してしまいます。でも、トレーニングをしていれば、いくつになっても増やすことができます。重要なのは継続することです。ここでは、負担に感じたり、挫折したりしないように、効率的に最低限必要な下半身の筋肉を鍛えられる筋トレを紹介します。毎日が無理なら、週5日でも十分。無理のないレベルで運動を習慣づけることが、若さや健康長寿のヒケツです。
〈指導・監修〉 筑波大学大学院 人間総合科学研究科教授 久野 譜也さん
スポーツ医学の分野を専門とし、サルコペニア肥満、中高年の筋力トレーニング、運動と活性酸素などを研究。2002年には、大学発ベンチャー「(株)つくばウエルネスリサーチ」を設立。“科学的根拠に基づく健康づくり”というコンセプトのもと、超高齢化社会に伴う健康課題に対しての解決策の提案にも尽力している。
著書:寝たきり老人になりたくないなら大腰筋を鍛えなさい
飛鳥新社 1,200円(税込)