ほおっておくと衰える脳の機能は
鍛えることが重要です。
vol.1 思い出す力のアップが能力復活のかぎ。
物忘れの大きな原因のひとつが「思い出す力」の低下です。 脳力復活のためには、思い出す力を鍛えることが大切です。
トレーニングで脳は鍛えられる!
年齢を重ねると物忘れも増えがちです。実際、脳の機能は20歳くらいをピークに低下していきます。そして、40代以降あたりから、「物忘れが増えた」と自覚するようになるのです。でも、それは記憶そのものを失っているわけではありません。記憶はしっかり残っているのに、思い出すことが上手にできなくなっているだけなのです。
例えば、リンゴを見た時、「赤い色」「甘酸っぱい味」「甘い香り」「丸い形」「シャキッとした食感」など、リンゴを連想させる様々なことが頭に浮かんできます。しかし、本来、これらの記憶のパーツは、それぞれ別のところにしまわれています。ちょうど、脳の中にたくさんの引き出しが存在している状態をイメージしてみるといいでしょう。「赤い」という記憶は「色」に関する引き出し、「甘酸っぱい」は「味」に関する引き出し、「甘い」は「香り」に関する引き出しというように、それぞれ別々の引き出しに収納されています。けれどもバラバラな記憶のままではリンゴと認識することはできません。しまわれた記憶を引き出し、正しく組み立てることで、やっとリンゴとして認識できるようになるのです。
「あれ」や「それ」などのような代名詞が増えてしまう物忘れは、このバラバラになった記憶のパーツがうまく組み立てられなくなることで起こります。物忘れが増えると、会話が弾まなくなったり、自信を喪失して楽しく過ごせなくなったりもします。でも、諦める必要はありません。記憶そのものは存在しているので、正しく組み立てられるようにトレーニングをしてあげることで、思い出す力はいくつになっても高めていくことができます。次号では脳力アップトレーニングを紹介します。